校長先生からのメッセージ(12月)

2022/12/23

学校生活

「戦」~「神の武具」

今年の世相を表す漢字として第一位に「戦」が選ばれました。ちなみに第二位は「安」が選ばれ票数も僅差だったようです。

「今年の漢字」は、漢検でおなじみの(財)日本漢字能力検定協会により、漢字の普及啓発・日本文化の発展を目指す活動の一環として始まりました。およそ四半世紀以上続いており、すっかり年の瀬のイベントとして定着しています。

今年は、スポーツの話題や、世界各地で起こっている戦火、軍事的な攻撃など、「戦」につながるような出来事が多くありました。また、私たちの身近においても大小に関わらず何かしらの戦いがあったかもしれません。心の中に苦難や葛藤といった戦いがあるかもしれません。今回、「戦」を皆さんはどのように解釈したり話題にしたりしているでしょうか。

聖書の歴史上たくさんの戦いが記録されています。国や民族間の戦争、武力による占領などが各時代にありました。聖書には古代オリンピックが行われた時代もあり、競技場での選手の戦いの様子も記されています。一番大きなテーマは聖書の神様とそれに反する立場の戦いです。(善と悪の戦いと言われています)

小学生が演じたクリスマス会のオペレッタや劇にもそのような場面がありました。

1,2年生が演じたイエス様の誕生は、ローマ帝国に占領され統治されたユダヤの国での出来事です。イエス様の誕生にまつわる人々にとっても、様々な戦いの連続でした。

3,4年生が演じたダニエルの物語も、バビロニア帝国に占領されたユダヤの国から捕らえられてきた人たちの話です。神様に忠実に従ったことによって信仰の戦いがありました。

5,6年生が演じた善いサマリア人と杉原千畝の行動も、ある意味で戦いでした。心の中での戦いや葛藤もありました。杉原千畝は、最初の妻(ロシア人)との出会いの影響により正教会に入信しクリスチャンになったことで、自分を犠牲にしてまで多くのユダヤ人を救うために身を奉げたのではないかとも言われています。

戦いには、身を守るための武具が必要です。聖書には、神様に従い神様に忠実な者も戦いのためには「神の武具」を身につけなさいと書かれています。その中には「盾」と「矛(剣)」があります。盾とは、神様を信じ、イエス様の救いを信じる信仰のことで、矛(剣)とは、神の言葉を読み、語り、祈り続けることであると書かれています。(エフェソ信徒への手紙6章13~18節)

イエス様の誕生の場所に集まった人たちもいろいろな戦いの中にいたかもしれませんが、神の武具を付けていたので、イエス様の誕生という平和と喜びの場に集まることができました。ダニエルの仲間であるシャドラク、メシャク、アベドネゴも神の武具を付けていたので、燃える炉の中から救われました。善いサマリア人も神の武具を付けていたので、たとえユダヤ人に忌み嫌われていても倒れているユダヤ人を隣人として助けました。杉原千畝も神の武具を付けていたので、ユダヤ人を救うという戦いに勝利しました。

クリスマス会で児童が伝えたように、私たちの様々な戦いや心の葛藤において、神の武具を身に着けることによって、必ず平和という勝利にたどり着くことを覚えたいと思います。

皆様にお一人お一人に、神様の祝福と平和と喜びに満たされるクリスマスとなりますようにお祈りいたします。そして、来る新しい一年も素晴らしい年となりますようにお祈りいたします。

校長 小原義信

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