校長先生からのメッセージ(9月)

2022/10/05

校長室

「読書の秋」

秋は「○○の秋」と言われるように、いろいろなことを楽しみやすい季節です。食欲の秋・スポーツの秋といろいろありますが、昔からよく言われているのが「読書の秋」です。確かに気候的にも過ごしやすくなり、夜も長くなる秋は読書には絶好の季節です。

10月27日は読書の日です。そして、その日から2週間は読書週間となり、読書を推進する行事が出版業界や図書館によって集中して行われる期間です。

1924年に日本図書館協会が、図書週間を制定していました。しかし戦争の影響で、一旦廃止されました。終戦後1947年、出版社・取次会社・マスコミなどが共同参加した「読書週間実行委員会」が改めて読書週間を制定し、現在に続いています。

1947年の再制定の目的は「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」でした。当時は終戦から間もない時期であるため、「平和な文化国家」がキーワードになったのでしょう。アメリカでは、11月16日から1週間、「チルドレンズ・ブック・ウィーク」という運動があり、戦後それを参考にしたともいわれています。いずれにしても、読書の日や読書週間は子どもたちに本に親しんでもらうことを目的として制定されたのです。

本校の図書室では、平和コーナーが設けられており、以前からあった蔵書や、新しく購入した平和に関する本が陳列されています。平和コーナーから自由に手に取ってその場で読んだり、持ち帰って読むために貸し出されたりしています。

このコーナーを通して児童が、本校の校訓を実践したり身近に考えたりするきっかけにもなってほしいと願っています。また、報道されているウクライナでのロシアによる軍事侵攻の終結が見通せない状況を毎日見せられている中、児童が、現在そして将来にわたり「平和を実現する人」(マタイによる福音書5章9節)になってほしい、という願いも込められています。

今は読書の仕方が多種多様になりました。紙の本を読むことだけでなく、タブレットやスマートフォンの普及でデジタル書籍を読むといった環境も整っています。新しいメディアが生まれ広まる時には、それが読書離れ、活字離れの原因と揶揄されます。確かにそういった面もあるかもしれませんが、形や種類が変化してもどの時代にも常に本はあり、図書室はあります。タブレットやスマートフォンで動画やゲームを楽しむだけでなく、様々な良書といわれるもの、子どもたちに触れてほしい本などを検索するのも、読書への関心につながることもあるかもしれません。読書の機会、活字に触れる機会をどれだけ確保するのか。これが親や大人たちに求められている課題です。

「読書は脳の栄養の素」といった記事を読んだことがあります。「読書は脳神経のつながりを強化し、加齢による認知力の低下を防ぎ、ストレスレベルを低下させ、長生きにつながることもある。」

親も大人も、自ら読む楽しさを味わい、読む楽しさを子どもたちに見せていきたいものです。以前に読んだ本でも、漫画でもいいから、読書週間に読んでみてはいかがでしょうか?

「あなたの御言葉が見いだされたとき、わたしはそれをむさぼり食べました。あなたの御言葉は、わたしのものとなり、わたしの心は喜び躍りました。」エレミヤ書15章16節

ご家庭の上に神様からの祝福が豊かにありますようお祈り致します。

校長 小原義信

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です