校長先生からのメッセージ(1月)

2023/01/31

校長室

「選択する力と、互いに学び合う場」

10年以上も前、NHKスペシャル「赤ちゃん・成長の不思議な道のり」という番組を観ました。同じタイトルで書籍も発行され番組の内容を復習しながら読むことができました。人間の一生で最も脳の潜在能力が高いのは、赤ちゃんの時期なのだそうです。生後間もなく歩くしぐさができたり、世界の言語や音の違いを区別できたりするなど、赤ちゃんの知覚能力がとても高いことが科学的研究から実証されてきました。ところが、一旦できたことが生後数ヶ月たつと、できなくなったり後退したりしていくのです。なぜそうなっていくかというと、後退というよりも、自分の環境に最も適した能力を選び、それを自らも、そして環境によっても鍛えられていくというわけです。また、家庭だけで限られた人とだけ過ごしているより、複数の赤ちゃんと接することで、身体能力がぐんぐん発達していくことも実験によって解明されています。人は、ある環境の中で必要な機能がただ自然に身についていくだけでなく、他の存在を模倣したり学習したりしながら、積極的な選択によって成長していくのです。

神様は、はじめに人類を創造されたとき、人を神のかたちに似せて完全なものとして創られました。更に、物事を選ぶという能力、考えを選択する能力を授けました。また、人はひとりでいるのは良くないと言われ、支え合い、学び合うために、パートナーを創られました。先の番組の赤ちゃんの潜在能力や成長の道のりに通ずるものを感じます。

正しい選択をする能力を活かしながら、また、他者との関わりを通して成長していくのは、どの年代の子どもも、大人であっても同じです。学校で学ぶ子どもたちは、友達を通して成長し、友達と一緒に成長していきます。友達がいるから、関わる相手がいるから、それにどう対応しうまくやっていくか工夫し選択していく訓練を日々しているのです。今日も誰かと接する中で学びがあったに違いありません。子どもたちの成長を、そして正しい選びを、今後も見守っていきたいと思います。

「兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。」ローマの信徒への手紙12章10節

ご家庭の上に神様からの祝福が豊かにありますようお祈り致します。

校長 小原義信

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