校長先生からのメッセージ(1月)

「スペシャリスト」

いつも学校の教育活動にご理解とご協力を賜り感謝申し上げます。

例年とは違う年が明け、いまだ世界中で困難な状況が続いています。学校も緊急事態宣言下、時間を短縮させていただきましたが、比較的落ち着いた学校生活を送ることができています。6年生の児童の中には、受験日が近づき、大事をとって家庭学習をしている児童も見受けられます。昨年の今頃、コロナウイルス感染のニュースが流れてから、早くも一年が過ぎようとしています。マスクをつける、人と話す時に距離や立ち位置を考える、食事中は会話をしない、声を出して歌わない、この一年で身に付いたコロナの生活習慣から一日も早く抜け出し、通常の生活に戻ることを願うものです。

さて、年末年始に読んだ本の中から一冊をご紹介します。題名は「教えるということ」。著者は現在、大分県にある立命館アジア太平洋大学(APU)の学長をしておられる出口治明さんです。副題として「日本を救う『尖った人』を増やすには」とあります。

本の中で、出口さんは、「日本の教育は、スペシャリストよりゼネラリスト(いろいろな分野の知識を広く浅く持っている人)を育てる教育です」。そして、「いままでのような教育では世界で通用しなくなる。アイデア勝負の時代に必要なのは、自分の好きなことを究めて、高い能力を発揮するスペシャリストです。工場モデルに最適化した『素直で、我慢強く、協調性のあるタイプ』ばかり育てるのでなく、スティーブ・ジョブスのような尖った人材の育成が急務です。」と述べています。

 聖書の中に次のような言葉があります。
「あなたがたは、それぞれ賜物を授かっているのですから、神のさまざまな恵みの善い管理者として、その賜物を生かして互いに仕えなさい。」
ペトロの手紙Ⅰ 4章10節

「賜物」はギリシャ語では「カリスマ」というそうです。英語ではGiftが用いられています。子どもたちは、それぞれに神様から「賜物」を、スペシャルな「能力」を与えられています。ひとり一人がそのことを心に留め、他人と比較することなく、与えられた賜物を活かすための学びを続けてほしいと思います。そして私たち大人も、そのような視点で子どもたちの成長を助勢していきたいものです。

<学校通信 2020年度 第12号>

 

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